本屋で思わず買ってしまった本。
実は日曜日に、周防監督の「それでもボクはやってない」を見に行く予定なのだが、その前に読んでみたくなって買ってみた。あまりに面白くて2日で読み切ってしまった。
一言で言うと内容は「痴漢冤罪」を扱った本。起訴されたら99.9%が有罪になるという日本の司法裁判で、冤罪をかぶせられた筆者が、警察・検察の理不尽な追求などの体験談を語った実話である。
特に、この痴漢冤罪の舞台となったのが西武新宿線であり、筆者が収容されていたのが戸山警察署となれば、まるっきり縁がないわけではない。自分が大学に通っていた時に、このような事件がおきていたのだ。
そして、この本の重要な部分は「誰にでもこのような冤罪をかぶせられる可能性がある」という部分。ちょっと手があたっただけで痴漢にされる人もいるし、また被害者が嘘をつくという可能性もありうる。このような犯罪の場合、被害者(女性)の言い分がほぼ絶対だとされている。結果として、この筆者は物理的に痴漢が無理な状態にも関わらず加害者として起訴されてしまったわけだ。
途中、もう精神的にまいってしまって、「いっそのこと罪を認めて示談にしようか」 「このままなら駅のホームで飛び降りたほうがいい」というセリフが出てくる。一家がこの冤罪のせいで波乱の2年間を送ったことは事実だ。この裁判のために、多くの知人や支援者が、「いかに犯行が不可能か」という証拠ビデオを撮影するために動いてくれたかと思うと、日本の裁判制度のゆがみを感じざるを得ない。
そして、この筆者は最終的に無罪になったからいい。でも、このまま有罪になることもありえるわけだ。「やっていないのに」である。
日曜日は周防監督の映画を見に行く予定だ。非常に楽しみである。日本の裁判制度にこの本と、その映画が一石を投じて欲しいと心から思っている。

