前に読んだ「のぼうの城」が面白かったので2冊目ということで、買った本。
内容はというと、伊賀忍者の信長に対する戦いをまとめたもの。正確には信長というより、対象は三男の信雄だったりする。伊賀の十二家評定衆という寄り合いがあって、そこが部名をあげるために、わざと信雄を挑発して、伊賀に攻め込ませるという話。
伊賀=忍者という印象が強いが、そのとおり、伊賀の国は山ばかりで、特定の強い豪族を持たなかったこの国では、どこの豪族も自分を守る術を身に着けるしかなかった。その過程として忍者というものが生まれたわけで、史実上でも信長が伊賀だけは攻めるなと言い伝えたことからも分かる。(同じような国が大和の国でここは寺社などの旧勢力が強かったから)。
歴史小説の場合、単純な「歴史的な事実」というのは決まっているから結論を変えることが出来ない。だから、その過程とか人間関係とかに主軸を当てることになる。さらに今回は忍者であることから、その読みも深い。
1人の自分勝手な天才忍者とその主人をもとに物語が展開していく。一方で信雄の元でも、伊賀を恨むもの、武士として弱いものいじめはしたくないと言い張る武将もいたり、人間関係が多彩で、生き生きと描かれる。
当然、将軍としての視点といち忍者という視点はグレードがまったく違うわけで、だからこそ、この2つの視点が入り混じるところに面白さがある。確かに忍者が平気で城に忍び込んで城主と対談するなどありえない(というかそんなことできるんだったら暗殺できるはずだから)話もあるけども、それがあって、最後に伏線が一気に回収されていくというか、そこが面白かった。
伊賀は一度言ってみたいんだよなあ。そういえば、今まで言ったことないや。うむ。

