読み終えた今でも興奮が止まらない。あまりにも面白い小説に出会えたことに感謝したい。
確か先月初旬だったと思うんだけど、偶然王様のブランチで「天地明察」という本の存在を知った。最近、和田竜をはじめとして、若手の歴史小説家が増えているが、この本もその中に入るのかもしれない。
著者は冲方丁という。「うぶかたとう」と読むんだけど、普通読めないよね・・・。
アマゾンで予約をしていたんだけど、いつまで経っても入荷されないので、しびれを切らして書店で買った。そして、ドラクエと並行しながら一気に読み上げたというわけ。
この本は、「暦」をテーマに扱っている。渋川春海という、江戸時代に日本初の暦を作った人にスポットを当てる。暦を作るといっても、当時は地方によっては、幕府の暦とは違った暦を作っているところもある時代。歴史は武断政治から文治政治へ移り変わる最中で、人の価値観も一気に激変した時代でもある。そういう中の一つとして、「暦を作る」という大事業が持ち上がったと解釈すべきなんだろうか。
渋川春海には、マルチな才能があり、碁打ち・神道家・天文学者等々・・・。それぞれに魅力的な仲間がたくさんいて、のちの大老「酒井忠清」、秀忠の御落胤「保科正之」、水戸光圀ら、その他山崎闇斎・関孝和・吉川惟足など、歴史ファンにはおなじみのキャラクターが彼を支え、そして大事業を成功に導いてくれる。
特に、序盤の「解答さん」関孝和との会ったこともない同じ年の2人の関係がもどかしくもまた、美しい。
小説は、渋川春海の生涯を元に組み立てているから、おそらくwikipediaなどで調べてしまうと、面白さが半減する。小説を読みながら、彼のエネルギッシュな生涯を追体験したほうが、絶対に感動する。
いい小説に出会った。この作者の次回作にも期待したい。
